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不安とは

[2020.06.01]

前回ブログ更新から1か月が経過しました。この間、コロナウイルス感染の様子も変化してきており神奈川県でもいろいろな制限が解除されています。多くの方が制限解除を望んでいる一方で、解除に伴う感染第二波の襲来を心配するなど不安を訴える方も多いようです。恐怖は理解できないものに対して感じる、という言葉を聞いたことがあります。自分が理解できない物事については何が起きるのか、何をされるのかも分からないので恐怖を感じるのも当然です。現在多くの方が感じている不安はそう言ったもの、つまり新型コロナウイルスとは何なのかがわからないことから沸き起こってくる感情なのでしょう。連日テレビやWEBで見ることのできる情報のどれを信じてよいのかわからないのではないでしょうか。残念ながらこのウイルスについて今わかっていることを適切にわかりやすく説明している内容を見たことがありません。現在最も正しいと思われる内容である研究結果を基にした論文やその解説はほとんどが一般の方は読んでも何を書いてあるのかさっぱりわからないと思われます。これも無理はなく、研究は現在進行中のものばかりなので今の時点で分かっていることが限られている上に専門的すぎるからです。1か月前に報告されていたことが今は否定されていたりするのが現実です。こんな中でも押さえておかなければならないものはあります。それは自分が感染しないために何をしたらよいかです。

みなさんは自宅の防犯を完璧に、と言われたらどうしますか。色々と方法はあるでしょうが、とりあえず扉と窓を完全に封鎖したらほぼ泥棒は入ってこないでしょう。なぜなら他のルートがあるとしたらそれは壁を破るか屋根に穴をあけるくらいしかないからです。ここで泥棒がウイルス、家が人間だとすると扉と窓は、鼻、口、目ということになります。壁や屋根は皮膚です。皮膚からウイルスは入りません。だとすると自分が感染しないためにやらなければならないことはウイルスが人間に入ってくる入り口を遮断すること、すなわち鼻、口、目に飛沫がかからないようにすること、そして自分で自分の顔を触らないことなのです。これがしっかりできていれば感染するチャンスはありません。これを実践した上で、感染のチャンスを増やしてしまうような行動を控えれば大丈夫と言えるでしょう。

まず安全であること、そして安心感を得られるように我々医療者、特に私のように患者さんに直接対応する立場の医療者は目の前の患者さんに安心感のある安全を提供することが大事だと感じています。先ほど申し上げたことを実践することで自分の身を守れる確率は格段に上がります。一方で対策はやればやるほどきりがなくなり疲れてしまうだけでなく、大切な対策までやりきれなくなってしまいます。ここは対策を絞ってきっちりやることを心掛けたいところです。不安はつきませんが、この瞬間も全世界でこのウイルスの研究は進められていますし、今対応できることを準備してもいます。気持ちがイラつくのも理解できますが、不信感に満ちた社会の中では負けなくてよいものにまで負けてしまいます。信頼という絆で作られた社会で不安は共有しながら一歩でも歩みを前に進めましょう。私も頑張ります。

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