第4回 認知症の検査
前回から時間が空いてしまいました。暑さもようやく遠のき、秋を感じられる日々、寒暖差もあり体調管理には十分お気を付けください。さて、今回は認知症の検査についてお話します。認知症の可能性がある場合にかならず行われる検査が認知機能検査です。問診などにより認知機能の状態を判断し、点数化します。認知症を評価する上で大変重要な検査です。現在は高齢者の運転免許更新時にも簡易検査が行われるようになり、経験された方も多いと思います。決まった内容で点数をつけることも可能ですが、日常会話の中でも認知症かどうか判断することは可能です。たとえば、年齢をこたえられるか、最近見たテレビや新聞の話題について話せるか、などです。こういった会話の中で最近の記憶が保たれているかが分かります。同時に行うことが多いのが立体図を書けるか、という検査です。これは立体の絵を模写するもので、書き写すだけなので簡単にできるはずなのですが、認知症になると空間を認識することが苦手になり模写できなくなります。こういった検査から認知症が疑われると血液検査やMRIなどの画像検査を行います。これらの検査で認知症の原因となっている病気が隠れていないか、実際に脳の状態はどうかといった判断がなされます。以上のような複数の検査を総合してどのようなタイプの認知症かを診断します。次回は診断後の治療についてお話します。